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第6章 幸せの足音
『お……』




『~…ぉ?・・・』












『・・・オジャマしてます』







オレのとりあえず放った一言で


アイルは脱力したようにソファから転げた





慌ててオレが手を延ばす






『ふふっ……』




『(笑)……おはよ』









『…おはよう・・・。~・・・』





アイルは、ささっと立ち上がり

パタパタと洗面所の方へ走って行った






オレはソファにもたれて少しぼんやりとする






まぁ…そんなイキナリ
キャラ変するもんでもないだろう







アイルが戻ってきて角から半分だけ顔を出して

オレをチラッとみている






『うん?』



『……』






何か言いたげだが…




アイルを見れば顔を赤らめて
耳まで真っ赤にしている




オレは少しイタズラ心が騒いで

立ち上がってアイルのそばに寄る








壁にアイルの背中をそっとつけさせて


正面を向かせた・・・










『なんだよ?アイル(笑)』




『・・・べつに…』








『〃なんか〃思い出してんのか~?』





アイルの唇をツンと指で軽くつついた






昨夜・・・


眠くなるまで何度もキスをした唇を・・・








アイルはさらに顔を赤くして

オレを軽く突き飛ばす








『バカっ・・・』




『クスクス……』









初めて見る



アイルの〃女の子〃の一面







不器用でウブで



可愛い女の子の一面









アイルは…こんなに可愛い子だったんだな








ふと最初に出逢った頃を思った







『…時間・・・ある?』




くるりとアイルが振り向く






『え?・・・あぁ』


『朝ごはん…』






『うん…』





テレビをつけてオレをソファに誘導すると
アイルがキッチンに立った



パタパタとやって来て
カップに入った飲み物を渡してくれる





『ごめん。コーヒー…次用意しておくから』






甘そうなココアが湯気をたてる





アイルの仕草・・・生活感




ひとつひとつにオレの口元がゆるむ


オレはテレビを見るフリをして
しばらくぼんやりしていた
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