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第10章 暗闇の底に
診察や手当てを終えて検査を待つ間に

アイルはトイレに行きたいと部屋を出て

そのまま戻って来ないと言うのだ





既に病院中を探し回っているが
みつからないと言う








なんてことだ…





アイル、あんな体の状態で


一体なぜ?


どこへ…?









女性刑事がオレたちに頭を下げる

配慮と注意が足りなかった、と









そんなことは……どうでも良い

今は…そんなこと…









オレもソウタさんも
体が勝手に動いていた



夢中で病院中を駆け回る





病棟から病棟
非常階段、団らんスペース…





どこにもいない











オレは不意に外の空を見上げた





今にも沈みそうな真っ赤な夕日…










まさか・・・








一人でに足が外に向かう






現場となった河原から
ずっと延びた河川の先に病院はある




オレは河川沿いの道を
ひたすらまっすぐ進んだ





すでに辺りの外灯はついていて
薄暗さを増していく











日が・・・沈む…








その時…











『!?…』
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