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第10章 暗闇の底に
加えて灯りも殆どない河川敷



水の音…流れ
非常に不気味だ








ズブッ・・・








アイルの体が突然首まで沈む





急に深くなった所にきた






もうとっくにアイルの足は

下に着いていないだろう








ヤバイ!・・・もうダメだ!







オレはアイルを羽交い締めして

川岸の方向を確認し

急いで後退する





『っっ…!!!』



『ゴホッ・・・!』







水を飲んだか…?!




手でアイルの顎を上げさせながら
戻れるだけ戻る




足の着くところ…
アイルの腰まで見える所で一度止まった










アイルがオレの手を…振りほどいた






『ジャマ…しないで…
ふふ・・・言われたの

あの時も…今日も
〃おまえが悪い〃って

私みたいな女がいるから悪いんだ、って…

あたしが…いなくなれば
もうこんな事はない

リョウキにだって・・・もうこれ以上…』












・・・どうすれば良いんだ










こんなにボロボロに傷ついて…


追い詰められたアイルにオレは…









オレなんかが…何を言えば良いんだ











『ワケの…わかんねーこと
言ってんじゃねぇょ!アイルっ…

お前は何も…
何にも悪いことしてねーだろ!?


堂々としてろよ!頼むよ!!
こんなことっ・・・もうやめてくれよ』








やっと出たのがこれだった


こんなのが…精一杯だった








アイルがオレを見つめて…微かに笑う




目に涙をいっぱい溜めて…











『じゃぁ・・・どぉして・・・?』









アイルがかすれそうな声を絞り出してオレに問う









『じゃぁ・・・どぉしてぇっ…!?


どうしてこんな目にあうのっっ・・・!??』







アイルが泣きわめくように

大きな声を上げた






目から・・・大粒の涙をこぼしながら








『なんでっ・・・

こんな目にあわなきゃいけないのっ?!

・・・教えてよっっ!!!』













殆ど感情的になることのないアイルが




初めて・・・感情を大爆発させた

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