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第10章 暗闇の底に
『4年前もっ…今も…っ…あたしは…

自分に恥ずかしい事は

何ひとつしていない・・・!!!』




『……』



オレは返す言葉なんか
まるで出てこなかった


アイルは全てを洗い流すかのように
叫び続ける








オレの脳裏に

いつかのアイルの言葉がよみがえった








恋愛も何も〃望んでいない〃と言った

アイルの言葉…







『っっ…沢山ガマンして・・・努力して
あたしは一生懸命…必死に生きてきた!

それでも…こんなになるんならっ…ぅっ…

何を頑張ったって…やり直したって
おんなじじゃないっ!!

死んだっておんなじじゃないっっ…!!!』










アイルの言っていることは
全くもって正論で…


それでいて本当の心の…
魂の叫びのように感じられた





オレに・・・

オレの前で初めて見せた姿

彼女の本当の本音だったのだろうと






ただ普通に〃生きる〃ために…


ごく普通の恋愛や遊び、楽しみ


・・・人並みの幸せさえも望まず


必死に生きてきたアイル








『もぅ疲れたよ・・・楽になりたい

なんで…何度も
なんで・・・何のために…?

どうして、あたしが…
こんなひどい事されなきゃいけないのっ!??

あたしが何したっていうのっ?!
ねぇっっ・・・ねぇってばっ・・・!!』








アイルが自ら川に入って身体を浸けて

バシャバシャと水を
自分の顔や身体にかけながら泣き叫んだ




死ぬ事なんかより生きていく方が
うんと苦しい地獄



・・・とでも言うように






いっそ…死なせてやる方が
幸せなのかも知れない




…とさえ思えるほど痛ましい


今にも砕け散る
ガラス細工みたいなアイルの姿






それでも・・・オレは








オレには彼女の手を







どうしても離すことができなかった
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