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第11章 明日への勇気
『それなのに私…昨日も
あんなことをして…

リョウキにまた…リョウキに…
リョウキのこの手に

2度も助けて貰ったのに
まだ…お礼も言ってなかった・・・グス』




『アイ…ル…』


『…ありがとう』



そう言うとアイルは
オレの右手を引き寄せて
チュッっとキスしてくれた

オレは抱きしめる手を両手に変えて
ベッドの上でもう一度アイルを抱きしめた


『あの…それからね…』


オレの胸からアイルの少しこもった声がして
アイルをはなす

上手く言えない、と言ったアイルは
本当に沢山話があるようだ

オレは黙って耳をかたむける
いくらでも、何時間でも…
ずっと聞いてやりたいと思った


『私・・・ね』

『うん』



『あんな…に、わぁ~~って…
大きい声で泣いたの…初めてだった…』


『ふふっ…そっか』



『なんかね…そしたら…』

『うん』



『こういうのを…
スッキリした…って言うのかな?
…スーッとしてきてね…』

『うん…』



『私…ね…なんだろう
ちゃんとしよう……って思えたんだ』


『ちゃんと?…』



『私の…昔したことは…別だけど

今回も…私は、やましいことも
恥ずかしいことも…

私はなにもしていない
って…思えた気がしたの』


『うん。アイルの言ってる事は正しいよ?』




『だから…だからね…ちゃんと向き合って
…ちゃんと…自分で話そうって…
もう…昔みたいに、逃げない…って』

『う…ん』


オレの目があつくなる
昨日…冷たい水に浸かって

オレの前で沢山泣いたアイルを
思い出していた


『逃げないで、また…頑張って…必ずまた
やり直すんだって…そしたらもう…
こわくないかもしれない・・・それにね…』


『うん。…うん』



『それに…もう…
リョウキを悲しませたくない』

『…~~』


アイルは…人を…心を

お見通しなんだな


『だから…もう絶対逃げない
昨日みたいなことも…2度としない』

『うん…っ…』


オレは目頭を少しおさえて涙を拭って
アイルの頭をぽんぽんと何度もなでた


オレは驚いていた


アイルは…なんて強い子なんだろう


アイルは誰よりももろくて…誰よりも強い

人間としての芯のつよさを感じた

儚げでいて 芯のつよい

一本の綺麗な細木みたいだ
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