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第12章 輝く季節の中で
クーラーのきいたアイルの部屋で
テーブルに向かい合い休憩する




『あの…リョウキ?これ』


『?』





『ずっと…渡そうと思ってたんだけど
…しばらく帰れなかったから』





アイルが一本の鍵を
オレに渡してきた





この部屋の・・・アイルの部屋の鍵だ






『コレ…いいの?』




『~まだ…その

急に引っ越したりは
出来ないと思うから

リョウキに持っててほしいの…』





少し照れてうつむくアイル








オレのがメチャクチャ


テレてんだけどなっ・・・







『わかった・・・サンキュ』





その場でキーケースを出して
アイルの鍵を足した




『あのさ、アイル?

オレ…明後日、火曜から

休みなんだけどさ』





『ぇ?どうして?』






『~有給消化ってやつだな

無理にでも使わないといけないから
大体毎年この時期なんだ

8月の夏期休暇と上手くつなげば
長い連休とれんだけど

その辺は~…
所帯持ちのヤツとかがやっぱな

少し休んで少し仕事して、盆休みって
…ちとダルいんだけどよ』





『ぇ~いいじゃない
お休みある方が
ゆっくり休んでね?』








『それでさ・・・どっか出かけないか?』



『ぇっ・・・?』





気分転換・・・

なんてのも有りかな?

なんて思っていた






『ちょっとした旅行?…~イヤか?』



『…ううん・・・嬉しい!』








ちょっとだけ・・・意外な反応







『〃べつに〃じゃないんだ?(笑)』






『うんっ。・・・嬉しい

…か、彼氏と旅行なんて…夢みたい』







『…大ゲサだなァ~…』



どこにでも転がってる…

ありふれたことを




小さなコトやフツーのことを

眩しそうに喜ぶアイル






この先、アイルの望むことなら

どんなことでも叶えてやりたい





オレにできることは何でもしたい…





そう思ってやまなかった。







『行くとこ…調べようよっ』





アイルがPCを持ってきて開く




こんな興奮してるアイル…初めて見る


よかった






オレの中のアイルのページが



1ページ・・・1ページ


また…色濃く増えて行く
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