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第14章 オレだけのもの
夕方、テーブルにズラリと料理が並ぶ

本当にすごい…豪勢な

旬の野菜を使った
キレイに盛り付けられた料理の数々


『すっげ…うまそ
…~こんなにすごい料理
大変だったろ?わりぃな…』


『フフッ、お誕生日だもん
これくらい良いじゃない

たくさんたべてね
あ、ローソク…消して?』


アイルが笑顔で祝ってくれた


小さい手をパチパチ鳴らして
自分の事のように嬉しそうに


オレは…テレくさくて…

アイルじゃないが

少しモジモジしてしまう(笑)




『あの・・・これ』



アイルが包装された箱を
取り出してオレに渡す



『…わざわざそんな、気遣うことないのに』


再びテレくさくなってしまう



『好みだと…いいんだけど』


なかから出てきたネクタイは
アイルらしいセンスの良いものだ



『アイルが選んでくれたのこれ?』

『うん…。何にしようか悩んだんだけど
うん…初めて見に行ったから…緊張しちゃった
あ、でもやっぱり…すごく似合いそう』


『アイル、ありがとう。すっげー嬉しい』

『お誕生日、おめでとう…っ』


アイルの反則な笑顔で
オレは…これまでの人生で一番の
最高の誕生日を迎えていた


食事を終えてから
二人でソファでくつろいだり
DVD観たり、のんびりしていた



そして…



『…アイル?…ア~イル?』



また、目あけて寝てるのか?


『ぁ… うん?何…』

『やっぱさ…何かあったろ?…ずっと』



『べつに・・・なんもないよ
~お茶…いれるねっ』




パタパタとキッチンに行ってしまった…が?


何か…やらかしてるなアレ…?

ガチャン?って…



『ゎっ…ひゃっ…』


夜9時を回る頃
今日は…早めに帰そうか
と、思ってアイルの方へ行く


『アイル…』

『ぁっ…ごめん。手すべっちゃった
もうできるから』



『あんま…遅くなる前に、もう帰るぞ…?』

『う…ん‥。ごめん』



黙ってアイルが帰り支度をする



『…できた?じゃ行こっか』

『……』



『アイル…?』


アイルが
つっ立ったまま動かずに下を向いてる



『…もぅ少し

一緒にいたいな・・・ダメ?…』





ダメなワケ…ないだろう…?



けど、こんなこと言うアイルは…
本当に、どうしたんだ?
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