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第18章 過ちの代償…
いわゆる
肉食系女子といって良いだろう


欲望に正直で遠慮がない


若くして独立を考えるような
野心家なところや行動力は
ある種の生命力の強さかもしれないが

その反動は中々たくましくて
一緒にいて常に疲れた記憶しかない


自己主張の強い…
いわゆるオンナ・オンナな性格の女


オレが…しばらく独りでいたいと思った


女をメンドクサイと思った
そのキッカケでもある
元彼女…〃玲奈〃…


非常に申し訳ない話だが
すっかり忘れていた存在だった
2度と関わることもないだろうと



何よりアイルといて幸せで
悪いが…
記憶の片隅にさえなかったかもしれない


思い出したくもない事が甦る


急に…なんとも不快な気分に陥る

何の用だったのかも知らないが、不快だ

オレの思うところ
どうせ何かの気紛れや気分だろう



無性にアイルに会いたくなった



さっきわかれたばかりだというのに


アイルのぬくもりが
恋しくてたまらなくなった



オレにだって

消し去りたい…忘れ去りたい

過去のひとつやふたつはある


アイルといることで
すっかり忘れ去って

まるで
無いものになってるかのような過去が

全てを洗い流す…透明な水のような

純粋なアイルの心に触れる事で
紛らわしている・・・オレの愚かな姿…







『…ワルイ。…急に』

『?…ううん。入って?』


オレは仕事帰りに
つい…アイルの家に寄ってしまった

…何も聞かずに
いつも通りなアイル

アイルはきっと…オレの顔をみて
何かを察してはいるだろう

何も聞かないことが
それを証明しているかのように

オレはどこか
心に…余裕が持てなかった


『お夕飯…まだだよね?一緒に食べよう?』

『…あぁ。うん』


アイルが夕食を並べてくれるが
…ロクに箸が進まない


アイルの表情が少し…くもっていく


『…リョウキ
疲れてるなら…早めに休んでね』

『…』


アイルがさりげに
オレのオデコに手を当てた


『ねつ…は、ないね』

『…もう…帰るから。ワルかったな…』



『泊まっていきなよ
着替えは~あるし…シャツは
すぐに洗濯しちゃえば間に合うし
ね?そうしよ』

『…』


いつも通りの…自然で、変わらない
アイルのやさしさが…心地良くもあり
…なぜだかチクリ チクリと
心が痛くなる
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