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第19章 最後の雨
『関係ないですから…』


レナの大きな声と罵声に反して
アイルは淡々と答えた



『~?…何ソレ?

私はトクベツって?
自信満々ね?!

ウケるんだけどー!
…所詮、世間知らずの

〃オジョウ〃ってことかぁ…
ハァ~……イタイねぇ』





『リョウキは私にうそをつかないから

・・・・・・それだけです』





『は?…イミわかんない

何その妄想?
かなりキモいよ?…

リョーキも~…どうしちゃったんだか

いつから
こんな悪シュミに~…』









『・・・どうでもいいんです』






『?』





『私の事なんて…何言われても

笑われても、蔑まれても
罵倒されても
隠したりしません

言いふらしたければ言えばいい
私は逃げたりしない』





『…な、にょ…イキナリ』





『だけど…リョウキのことはダメ

彼をそんな言葉汚く言われるのだけは

我慢できない

・・・・・・許せません』





『フンっ・・・
何…イイ子ちゃん発言してんだか…っ

アンタなんかっ!何も知らないくせに!
アイツはねぇっ!…』




『いいんです

…知らなくたっていい

知ったからって関係ない』




『は…ぁ!?』


レナの手から
煙草の灰がボロリとこぼれる

ヘラヘラと笑っていた顔が
次第にひきつっていた



『あなたといた彼が、どうしていたかも
どんな人だったかも…どんな女の人と
どんな風に関係を…どれだけもってきたかも

私にはどうでもいい事だし
今の彼には・・・関係ない

例えそれが…私のように
犯罪歴をもっていたとしても…』


『…~~』



『それに…今

そして…これから

私達がどうしていこうと…

あなたには関係のないことです』




黙ってしまったレナをよそに
アイルが席を立とうとする



ダンっ!!!



レナが再びテーブルを叩きつける



『…ハハ…っ・・・残念ながら

〃関係ある〃のよっ・・・!!』



『……』
















『私…妊娠してるの

…もちろん父親はリョウキよ?

リョウキの子が、〃ここ〃にいるの』




『…え…。………』






〃チチ…オヤハ……リョウキ…?…〃






『リョウキを…返してね?』



『……』


アイルが呆然と立ち尽くす
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