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第19章 最後の雨
『…ア…イル?・・・今、……何て…』










アイルの口から発した

その一言目は…

オレが全く予想もしないことだった






『レナさん…妊娠してるって…

リョウキの…赤ちゃんが…お腹に…』




泣き晴らした

涙の乾いた目で

力なくオレを見るアイルが話す


オレは…言葉を失っていた




『…まちがえじゃ…

ないんだよねぇ・・・』


アイルの声がかすかに震える





『リョウキ…?こたえてよぉ…?』


『……』




『身に覚えのないこと なの?…』

『…』


『100%…事実無根の事?
それともちがうの?
…リョウキ…っ…』




この時ほど…

ウソをつきたいと思ったことはない



ウソでも良いから…アイルを傷付けたくない
ウソでも良いから…アイルを泣かせたくない



その場しのぎでも…いいから
目の前のアイルを…壊れそうなアイルを
泣かせたくない…


それでも…オレは…アイルに


アイルにだけは、ウソをつけなかった…








『……そうじゃ…ない』








『…っっ……』


アイルの目が一瞬でジワっと…
堪えていた涙で滲む


力なく…たたずむオレは…
経験したことのない真っ暗闇に前を塞がれて
ただ呆然としていた


焦燥感…絶望感


一気に押し寄せる感情が
オレの頭の中を真っ白にさせる



何か…何か言わなければ…



…どうしたらいいんだ?…何を言えば…


何をすれば…、今…どうしたらいいんだ?


目の前の…アイルに、今…オレは…



アイルが先に口を開く



『そう・・・なんだ』


『アイ…ル…』




『ウソであって…ほしかった…っ…~っ

~ウソでも…否定してほしかった…っ~~』



『アイル…オレは…』

オレを待たずに
アイルが顔を手で覆って
その場にしゃがみ込む

…泣き崩れて…声をおさえている…

手を…のばすことができない


『っく…っ、グスッ…~それじゃぁ…

どうにもならないね…』


『アイル…?何言ってんだよ…まだ何も…』


言葉に詰まってろくに喋れない
まともにアイルを見られない


〃ドウニモナラナイ〃って

…なんだよ…アイル


かといってオレは…
何を言おうとしているのか

涙を流すアイルを前に、立ち尽くす
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