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第19章 最後の雨

『レナは・・・オレが

よく考えもせず…
特別な気持ちも持たず…

場の〃成り行き〃で付き合った女だ…』





『っっ・・・？』






『何の罪悪感も持たず…

言われるままに一緒になって
メンドクサくなって別れた

・・・そんな相手だ』







『……ぅ…そ…』








『うそじゃない

何の罪悪感もなく…関係をもった

…それでこんなことになった』








『・・・』





アイルの顔が青白くなっていく…






『レナだけじゃない…

そんな気ままに…
〃テキトー〃に関係をもった相手は

他にも…大勢いた
〃遊び人〃と…揶揄されるほどな』






『……』







『…お前には…考えられない

・・・信じられない事だろアイル？

だけど…世の中にはな

そんな・・・
汚らわしくて不潔な人間もいるんだ

オレは…そんな人間だった』









『うそ・・・うそだよ。…うそ…よ』








『本当だ。

…軽蔑するだろ？
汚らわしいだろう！？

そんなオレが……そんな手で

こんな手で・・・お前を抱いたんだ』








『やめてぇぇ・・・っ！』







泣き叫ぶような悲鳴をあげて
アイルが耳を塞ぎ一歩引いた





『…それでも紛れもなく

それが本当の…お前の知らないオレだ
オレの犯してきた過ちだ

今回の…レナの事が
何よりそれを証明してるだろ？

消したくても永遠に消せない
オレの過去だよ…』






『～っ・・・』






『アイル…？

お前に逢うまで…
オレは本当に何も知らず
何も思わなかった

自分のしてきたことが
どれだけ愚かで…

どれだけ恥ずかしく…罪深いことかも
その重さも

誰かを…大切に…
心から大切に思う気持ちも
喜びも…オレは知らずに生きてきた

そして…その人を失う恐さも
傷つける痛みも…苦しみも…

お前に逢うまで・・・オレは…』









『いやっ・・・』







アイルの頬にのばした手…




アイルが・・・払いのけた







『…っ‥』










『……あたしに…さわらないで‥っ』






目に涙をいっぱいためてオレをみるアイル

…オレを拒んで

悲しい顔で見つめていた