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Best name
第19章 最後の雨
『アイ…ル・・・』
何も・・・言い返せなかった
アイルの芯のつよさを
知っていれば尚のこと…
アイルは…だれかを悲しませて
自分が幸せになろうなんて事
そんな事ができる子ではない・・・
わかっていて…人を
誰かを傷つけることなんて
アイルにはできない
そんなこと、オレにだって
わかっていたハズなのに…
オレは…・・・
ここまで
アイルに言わせてしまったオレは…
『行って・・・?
私は…大丈夫
本当に・・・大丈夫だから』
『…アイル・・・待って…』
『…じゃぁ…私が・・・行くね…』
『待て…って』
アイルを引き止めて…オレは…
何を言おうというのだろうか?
無意識に動いた
先程拒まれた手が
アイルの手を掴んだ
『りょうきっ・・・
…良希のこと…信じてるよ…っ
今の良希なら…正しい事をする』
オレの掴んだ手を
つめたくなった小さな手が
ギュっと握り返した
『感謝してる・・・
出逢えたことも…これまでの事
…私を・・・助けてくれたこと…』
『……』
『私にたくさん幸せを教えてくれたこと…』
こんなオレに…感謝をのべて
降り止まない雨と同じように
止めどなく
アイルの目から
ボロボロとこぼれる涙…
そして・・・微笑み
『一緒に過ごした時間…
たくさんの幸せ・・・
・・・大切にする…』
『アイル…』
『ありがとうっ・・・』
言い終わると同時に
アイルの小さな手がスルッとぬけた
『ア・・・』
どしゃ降りの雨・・・大雨。
この世で
こんなに雨が降りつけるのは
これが最後なのではないか
というくらいの雨
オレに傘を押し戻して…
アイルはオレを
すり抜けるようにオレの後方に…
来た道を戻るように走り去った
振り向いた時には…霧の中に消えるように
その姿は
どんどん・・・どんどん
見えなくなっていく
真っ白な霧は
彼女の姿を一瞬で隠してしまった
止まない・・・雨の中で
何も・・・言い返せなかった
アイルの芯のつよさを
知っていれば尚のこと…
アイルは…だれかを悲しませて
自分が幸せになろうなんて事
そんな事ができる子ではない・・・
わかっていて…人を
誰かを傷つけることなんて
アイルにはできない
そんなこと、オレにだって
わかっていたハズなのに…
オレは…・・・
ここまで
アイルに言わせてしまったオレは…
『行って・・・?
私は…大丈夫
本当に・・・大丈夫だから』
『…アイル・・・待って…』
『…じゃぁ…私が・・・行くね…』
『待て…って』
アイルを引き止めて…オレは…
何を言おうというのだろうか?
無意識に動いた
先程拒まれた手が
アイルの手を掴んだ
『りょうきっ・・・
…良希のこと…信じてるよ…っ
今の良希なら…正しい事をする』
オレの掴んだ手を
つめたくなった小さな手が
ギュっと握り返した
『感謝してる・・・
出逢えたことも…これまでの事
…私を・・・助けてくれたこと…』
『……』
『私にたくさん幸せを教えてくれたこと…』
こんなオレに…感謝をのべて
降り止まない雨と同じように
止めどなく
アイルの目から
ボロボロとこぼれる涙…
そして・・・微笑み
『一緒に過ごした時間…
たくさんの幸せ・・・
・・・大切にする…』
『アイル…』
『ありがとうっ・・・』
言い終わると同時に
アイルの小さな手がスルッとぬけた
『ア・・・』
どしゃ降りの雨・・・大雨。
この世で
こんなに雨が降りつけるのは
これが最後なのではないか
というくらいの雨
オレに傘を押し戻して…
アイルはオレを
すり抜けるようにオレの後方に…
来た道を戻るように走り去った
振り向いた時には…霧の中に消えるように
その姿は
どんどん・・・どんどん
見えなくなっていく
真っ白な霧は
彼女の姿を一瞬で隠してしまった
止まない・・・雨の中で