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第21章 明日への手紙
『オレなんかが
こんなことを言うのは・・・
本当におこがましい…ですけど

アイルを!・・・
アイルの事を…っ
くれぐれも、宜しくお願いします…っ』




ガバッと下げた頭の重みで
目が熱くなる



オレには…こんなことしか言えなかった





アイルが頼れるのは

アイルが最後に頼れるのは




一番頼れるのは…この人しかいないんだ






『…大丈夫だ』


『お願いします…っ…ソウタさんっ…』




顔を上げないオレの肩を
バシバシとソウタさんが叩く



『~大丈夫だ!リョウキ

アイルの事は俺が今度こそ嫁にするから

何も心配ない!』














『……。』






『ジョーダンだ!(笑)

ん・・・。…なっ?大丈夫だ…

な?リョウキ…』





〃頭を上げろ〃と促すように

ソウタさんは
いつもの調子で冗談をかまして笑い

またオレの肩を叩く


オレは、そっと頭をあげた




『~…その…相手との話は

もう・・・済んでるのか?』


『グス…~…これからです…』



『…そうか

…~早く…行ってやれよ…
身重なんだろうしな…早く、行ってやれ?

…黙って、身を引いたアイツの気持ちを
せめて・・・汲んでやってくれ?』



『…はい』




『しっかりな…』

『はい…』



ガタ…

ソウタさんが伝票を持って席を立ちあがる


オレに…やさしく
諭すように言葉をかけるソウタさんの姿に
心が…ちぎれそうだ


『元気でやれよ?リョウキ…』

『…~っ…はい』



『…うん』

オレに背を向けたソウタさんが席を立つ






『ソウタさんっ…

ありがとう・・・ございました…』




『……』

ピタ…


一瞬止まったが
ソウタさんは振り返らず
そのままオレに手を振って出て行った




『ありがとうございました…』



ソウタさんの大きな…

少し寂しそうな…
大きな背中を見送ったオレは

ズキズキと締め付けられる胸に手を当てた


最後まで
やさしく…あたたかくしてくれた

アイルも…ソウタさんも
こんなオレに…



こんな…やさしい人達を
傷つけ悲しませたオレは

己の身を裂かれるような心の痛みを
全身で感じていた



この痛みを…ずっと背負っていくんだ…


忘れずに…オレは
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