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第25章 焦燥と迷走
オレは・・・なぜ

あんなにイラついていたんだ?



アイルのせいじゃない


仕事…でもない・・・全く




じゃぁ何だ?




人に…それもアイルに

八つ当たりするほどのことなんかあったか?

オレ…30手前だぜ?




理由が何であれ

自分がめちゃくちゃカッコ悪いと思った




アイル・・・7つも年下だってのに…



大人げないというか・・・マヌケだ



そしてなんで今こんなフツーにしてんだ?



…アイルと…二人だから?


誰もジャマしない・・・誰も・・・









え?・・・何?

なんだ今の?




何かが・・・アタマに浮かんだ




『あつ・・・』


いくら冬でものぼせそうだ

全開のシャワーを止めて風呂を出た


用意してあるバスローブを羽織って出ると


探険中?(笑)のアイルが
ベッドの上をコロコロと転がっている




少し吹き出す


・・・和ませてくれて有り難かった





『お待たせ;・・・』



『ぁ、うん・・・』



何故かアイルが一瞬目を反らして
顔を赤くして風呂に走っていった


オレはベッドに大の字になって…
先ほど浮かんだ事を思い返す






オレ・・・アイルに…ナンパした男達に

メチャクチャ腹立ててる・・・?





そりゃ当然かもしれないが




でもなんでだ?

別におかしいことでもないし



オレがその立場なら

間違いなくナンパしてるぜ?

…ってのは違う話か





べつに・・・よくあることだ




それにアイルは

応じたり付いていったワケでも
なんでもない

アイルに当たることじゃ…ないのにな?






アイル・・・
目立つ格好してんじゃねーよ?


…いや、違う


そんなこと言いたいんじゃない


第一アイルが目立つのは
身なりのせいじゃない

別に派手な格好なんかしてないし
していたってかまわない




一方的に怒って

無理矢理

ラブホに連れてくるようなこと

・・・しなくても





オレ・・・何にそんなに






アイル・・・なんで逃げねんだよ


そいつから、はやくはなれろよ・・・



そんなやつと・・・口きくんじゃ…ねぇよ




オレの・・・目の前で。





って・・・




え・・・?



オレ・・・
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