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第25章 焦燥と迷走

朝帰り・・・。




少し恥ずかしそうに
下を向いているアイルを連れてホテルを出る




謝ると･･･アイルが余計気にするよな



昨日すっぽかした映画に誘ってみるが…





『ごめん…。今日ちょっと
お店を見てこようと思うの』





『…え？…。でも、休みだろ？』



『うん・・・ちょっと』





『ちょっと･･･何だよ？』



あれ…？オレ

・・・また？



妙な焦燥感で
アイルに言及してしまった


…こんなこと・・・初めてだ。






『うん…。少し…弱ってる子がいて

心配なの・・・・・ごめん』




アイルの表情は深刻そうだった



…オレは少し恥ずかしくなる


アイルの仕事は
命を…常に預かっているんだ

そういう事はあるだろう


アイルは仕事の話や…
ましてや

愚痴や不安は口にしないから
わからないだけで




『そ・・・か…
早く元気になるといいな。･･･犬？』



『…ううん。子猫。・・・食べが悪くて…』




『モコも…元気になったろ？
きっと・・・大丈夫だよ』


『うん…。ありがと！…いってくるね』



『あぁ…。がんばれよ』



この日からアイルは
少し気の抜けない日が続いた



休みの日もあまり会えなかったり


あまり連絡がなかったり





…仕事だってわかってるし


アイルは仕事を頑張ってるだけだ




…なのに…オレの中に

隠しきれない

モヤモヤしたものが見え隠れする。





…なんで？





『おつかれ。･･･今どこ？』




どこにいる？だの…

何してる？だの…

電話したりしていた。





そんな自分に・・・苛立つという矛盾




アイルはオレが仕事で忙しくても

例えば約束を
すっぽかしてしまったときでも

文句ひとつ言ったことがない





…オレ、何で
こんな気持ちになってるんだ





情けなくなる


イライラする



今日も
土曜なのにアイルからは連絡がない


いつもなら
とっくに帰ってくる時間





オレはゲリラでワタルを呼び出した





体を・・・動かしたい。