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第30章 それぞれの、生きる場所…
『…身勝手な男の・・・身勝手な欲望で

夢も希望も……自分らしさも…

なんのへんてつもない
人並みの恋愛や

人並みの…幸せさえも奪われた彼女が

絶望してた彼女が
それでもお前を好きになったんだ。

そんな…〃奇跡〃みたいな事を…。

でも彼女は
またそこで苦しんだハズだ。

お前を好きだけど
受け入れることが出来ない。

受け入れたいけど
受け入れられない。


お前には変に思われるだろうし?

嫌われたくない
離れていってほしくない
だけど~・・・って

悩んで…苦しんだ末に
お前に打ち明けたんじゃないのか…?

…んなモン
別に黙ってたって、隠してたって

ウソついたって…いいことだ。

だけど、彼女は・・・』










アイルと…重ねてたワケじゃない……。






だけど・・・オレは







ヘラヘラ笑って流せなかった。





『彼女は…お前のことが本当に好きで
お前のことが本当に大切だから

お前を信じて…
覚悟をもって打ち明けたんじゃないのか…。

思い出したくも…
誰にも知られたくもないことを…お前に

お前だけに・・・

なのに・・・・お前は、そんな彼女を…』




「~~ …~~」


シロタがしどろもどろして
目を左右に動かしていた。





『フゥ…。ま、別にいいんじゃん?~…
女なんかどこにでも、いくらでもいるし?

〃欲求不満〃なら
楽なカンケーの女作るも良しだし、
風俗でもどこでも行ってろよ?

オレは知らないけどな?
ぁ~タケイあたりが
詳しいんじゃない?(笑)……じゃぁな』




「ちょっ!…たっ

…タキガワサン!?~

・・・って…ちょっと?!」




うろたえているシロタをおいて
オレは席を立とうとする





『帰る・・・。

~ショックうけた?キズついた?…
何をお前が悲劇ぶってんだか…。

お前が不幸ぶる事か?

・・・・・んなハナシ
聞いてられるかよ・・・』










「……そうじゃ…ないですよっ…。
オレはっ… 自信ないんですっ……」



『……~』




ようやく本音を語り出すシロタを見て
オレは席に座り直した。
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