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第30章 それぞれの、生きる場所…
『~ふぅん

…で、オマエは

〃自分もムリです〃って

別れたワケか?・・・』






「…まぁ…その…
だって…タキガワさんっ…。

オレの事は大好きだけど

それだけは…
どうしてもデキないって~…
泣くんすよ!?

オレもどーしていいか
わかんなくなって~。

…完全拒否っすよ!?
ショックなモンすよ?

…それで~・・・」









オレは・・・・・・・・聞き流せなくて…。










『ふ~ん・・・

ま・・・・・・よかったんじゃない?』








頬杖ついて遠くを見るオレに
安心したように
シロタが表情をゆるめた。





「…そうっすよね!?

~いや、タキガワさんならそう言うと…
やっぱ~…ちょっと引くっつぅか~…

オレも…ショックで傷付きましたよ…。
重いじゃないスカそんな~…

やっぱ、コレで良かったんすかね~…」












『…〃彼女にとって〃・・・・・な…?』








「……ぃ?」



目がテンになっているシロタを横目に
オレはゴトンと音を立ててグラスを置いた。








『……お前みたいな男なら
さっさと別れた方が・・・

一日・・・・・一分、一秒でも
早く別れられた方が…

彼女にとって・・・

彼女のこの先の人生
いくらか幸せだろうよ…』






「タ…キガワ…サン???」




『…お前なんかと
とっとと別れた方が

彼女は一日でも
一分一秒でも早く…別の

自分を本当に大切にしてくれる男に
出逢えるだろうからな…。

それまでの時間が短い方がイイだろ…

それでその先の…彼女が幸せな時間が
少しでも長い方が…』




「…。…。」





『シロタ…お前、本気で言ってるの?』




「え……」





『マジで…彼女の気持ちが
そこまでわかってねえのか?
って…言ってんの。

他人に想像も出来ないような
痛みを抱えて…

もう絶対に
一生・・・男を受け入れられないって
思ってた彼女が

お前を好きになったんだぞ?
一緒になりたいって思ったんだぞ?

それがどういう事か…
お前本当にわからないのか?』








べつに・・・オレは


アイルとその彼女を


重ねてたワケじゃない…。






だけど・・・
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