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第31章 君の手と僕の手
『ただいま…。…アイル?…
ちょっと何か口に入れた方がいいぞ?』


『……う…ん』


アイル…ぼんやりしている。




『薬、飲んだのか?』

『ぁ…』




『クス…。ホラ…喉も、渇いたろ?』

『…ん』


とりあえず水分をとらせる


アイルはぎこちなくも
なんとかストローをくわえた。




『ありが…と…』




『も一回熱、はかろうか…』

『じ…ぶんで・・・する』




おそらく無意識であろう。

アイルはパジャマの胸元を
キュっと掴んでいる

(苦笑)



フザケてるバアイじゃないが

ちょこっと・・・

イジワルしたくなる…。





『ふふ…。言うこと聞けって言ったろう?
・・・はかってやるよ(笑)』


『~~』


アイルが首を振って拒否する。



ゴソゴソ・・・




『ホラ・・・アイル・・・♪』


『っひゃ……っ、ん』





ピピッ……。






速い…。

こりゃ、便利だ(笑)




『え…?』

『ふふっ・・・』


キョトンとするアイルをよそに
耳から外した体温計を見る。


『・・・・・39.3℃…』



上がる一方だ…。




『りょぉき……』


『少しでも…何か食べれないか?
…~プリンは?』



買ってきたものを手にとっては
アイルにみせていく。



『……プリン…?』


『ふふっ…(笑)よし。食べるか』





『リョウキ…』

『ん~?』



『…ごめんなさい……』

『どうして?』



『迷惑…かけちゃって…』

『……ちっとも迷惑じゃない』



お互いに…お互いを
支え合っていくんだ。
ずっと・・・。





今は、オレが支える時・・・

・・・それだけのことだ。








ちょっと…オーゲサだけどな。



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