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第31章 君の手と僕の手

「タキガワ？～～今日、コレか？」

『うん？』

同僚がオレに向けて小指を立てて
ニヤニヤと話しかけてくる


『は？…なんだよ』

「ケータイいじりすぎ(笑)」



『…ち…げーよ』


ちょっと無意識だった(苦笑)

気になってしょーがねんだよアイルのこと。


「～彼女待たせてんなら
今日は早めに断った方が良さそうだぜ？」


『は？』




「呼んでるぜ？……部長」

『……』






あんだと～～～！？










ﾂｶﾂｶﾂｶ……。




ヤベ・・・イライラするぜ？(笑)


まぁ、ロクな話じゃないことは
わかってるってのもあるが


何であれ、今日のオレに
好都合なワケがないからな。


なんで仕事ってモノはこうなんだろうな？
よりによって、よりによるっつーか

こんな時に限って。



ﾂｶﾂｶﾂｶ……



早足で向かう。



ったく



仕事とか、どーでもイイぜ！


部長とか、もっと どーでもイイぜっ！！




くっそ～～。



ｶﾁｶﾁｶﾁ……連打…


エレベーター・・・速く来いし！…






『失礼します』


「お疲れ様・・・
ん？タキガワくん…どうした？」




･････いや


あのなぁ・・・







アンタが呼んだんだろーがっっ！？

ブチョーサンよぉ・・・！？





『部長…』


「そんなに息を切らして～…
あ、それでだなぁ･･･」




……。




ワンテンポ遅いだけかよっ？！



オレがせっかちなのか？！



…いや・・・この人



ぶっちゃけ

デキル人だし

決して人柄も悪くないんだが…





少しばかり・・・いや



中々の


けっこーな・・・


おっとりした方なのである。







オイ部長～～～？！

頼むから今日だけは

スピーディーでたのみますよ～～～！？



「え～…え～とだね
とりわけ～急ぎでは･･･
午後でかまわないんだが～…」


『……』







オ・レ・は・・・！






～～～急ぎなんだよっっ････！！！(苦笑)








いいから早く用件言ってくれ部長～～！



たのむから～～！！！




ホッホッホ～～♪・・・じゃねーよ！！？


ちっくしょ～～！！


このマイペースオヤジ～～！！！