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第32章 最高の名前

『ほぉ・・・それが、お前の言い分か…』


『・・・』




『フン…いいんじゃねぇか？

・・・～お前〃一人〃なら･･･な』





ぴくんっ…


アイルが肩を震わせた。




『べつに、お前が
お前の親を放っとこうが
ナンだろうがお前の自由だァ…？

けど今は…お前とリョウキの
お前ら〃二人〃の・・・

これからのハナシしてんだよ？』





『…っ・・・』






『アイル…お前は
それでもよくてもなァ…

リョウキはそうはいかねェだろォ…？

リョウキの
〃立場〃ってモンがあるだろうが…』




『･････』





『お前～…そういう事を…
リョウキの立場も…

リョウキが、どんな想いで
お前にその話を切り出したか…

どんな想いでリョウキがこうして
俺の所に来たか…

お前…ほんのちっとでも考えたかぁ～？』





『～～･･･っ…っ…』





『真面目に・・・必死に

向き合ってくれてる相手にナァ…

そう～・・・

不誠実な態度とるモンじゃねぇぞ』





『……っ』







『それともオメェ～…アイル

お前は・・・その程度の
いーかげんな…キモチだったんかぁ？

…んなガキみてぇに・・・ダダこねて
相手を困らして終わる程度のよぉ…？

お前にとっちゃぁ
〃オママゴト〃かぁ？オイ･･･？』






『ちが････っう…』






『ちがわねェだろォ？

～現にお前のしてることは
こうしてリョウキを
困らせてるだけじゃねぇか…。

ナンだぁ？このザマは～…。』







『ちが・・・う･･･もん』







『ﾊｧ・・・お前…バカじゃねぇんだ

リョウキの…俺の言うことくらい

わかってるだろーぉが…』







『・・・ったじゃない……っ』




『？』












『ソウタさん･･･私の

〃親代わりだ〃って言ったじゃないっ…』






うつむいて…
小さく呟いてばかりいたアイルが

目に涙をいっぱいためた顔を上げて…
ソウタさんに反論した。




そして…


全く・・・これっぽっちも
わからなかったワケではないが


オレは…次のアイルの言葉で


アイルの根底にある

深い・・・深い…

根深い･･･〃心の傷〃に触れることになる。