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第32章 最高の名前
『〃オレが…親代わりだ〃・・・って

ソウタさんさんは…
私のこと〃見捨てない〃・・・って

・・・言ったじゃないっっ……!!』






これにはソウタさんも

〃しまった…〃と言うように

絶句してしまい



頭を抱えてしまいそうなのを堪えて

言葉を探していた。





『ソウタさんがいるもんっ・・・

私に親はいないもん…っ

・・・ソウタさんが

〃お父さん〃だもんっっ・・・!』







アイルはついに

子どものように・・・泣き出してしまった。





アイルが実の両親を拒否するのは…

自分を捨てた両親に

再び拒否されるのではないか

・・・という恐怖心。






アイルの心の傷。





大きな大きな

〃拒絶反応〃なのであろう・・・・・。











これはオレの勝手な想像だけど



アイルは自分でも

自分がそんな
〃心の傷を抱えている〃ことに…

気付いていなかったのではないかと思う。





これまで特別

両親の事に

触れられることもなかったわけで





今回のことで初めてそれに直面して



沸き上がる得体の知れない恐怖心やらに

自分でもどう向き合えば良いのか…




それらの感情から

自分をどう守ればよいのかが

わからなくなってたのではないか…と思う。





らしくない筋違いな物言いや





話もまともに取り合わない

なんて様子をみると

なんだかそんな風に思えた。





ソウタさんの言ったように

アイルは

オレやソウタさんの言っていることが

理解できない・・・

なんて事はないと思うから…。

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