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第32章 最高の名前
オレは本当に
アイルを急かすつもりもなかったし



恐れていた繊細な・・・

アイルの弱い部分でもある

・・・という現実を

目の当たりにしてしまっていたから




事を急ぐ気は本当になかった。







けれどアイルは、オレが思うよりも

遥かに…迅速に・・・行動に出た。





真面目と言うか

いさぎが良いというか・・・






この間見せたような姿は一片も見せず

言わば、いつものアイルに戻っていた。










『親に・・・・・連絡した』





『えっ?…もう・・・??』





『・・・・・・。』




『ぁ…いや・・・うん。

…~~それで・・・何て??』






『・・・会ってくれる・・・って。

二人とも・・・・・』






『そうか・・・!良かった』





『ん・・・。

会って…くれないと思ってたから

・・・・・驚いた…』






少し・・・違和感を覚えるアイルの言葉。







自分の親に会う…だけなのにな・・・?






だけどそれは…オレの

世間一般的な

勝手な〃一般論〃だ・・・。





アイルにとっては

とても勇気のいる

大きな一歩だったんだ。





己を見失うほど…絶対拒否をするほどの。






『ん・・・。良かった。

良かったよ

ありがとな?アイル・・・』






オレが相談を持ちかけたことによって


ずっとその事を気にかけていてくれた
ソウタさんが、事がスムーズなように


あれからすぐ
一度アイルの両親に
それとなく話はしてくれたようだ。


そのお陰もあって
アイルも行動に出ることが叶ったようだ。
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