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第32章 最高の名前
ソウタさんの言葉に・・・その説得に



アイルはようやく

ソウタさんの目をみて返事をした。






『ウン・・・。よし』




ソウタさんはそう言って

アイルの頭に大きな手をのせて撫でると




〃ウン・・・大丈夫〃と言うように

オレに目で合図して




そっと立ち上がると

アイルからはなれて席に戻った。






まったく情けない限りだが

すっかり傍観者のようになっていたオレは…




ソウタさんの対応に脱帽しつつ


ようやく自分の言葉でアイルに話をする。








『アイル・・・』




『ごめん・・・なさい』






やっと顔を上げたアイルが

オレの方を見て一言そう言う。






『ん・・・。オレの方こそ、ごめんな?』





オレは、ずっと小さく震えていた

アイルの背中をゆっくりとさすり

改めてアイルに言う。







『アイル・・・。

アイルの・・・お父さんとお母さんに
会わせてほしいんだ。

アイルのご両親にお会いして
オレからちゃんと挨拶したいんだ。

・・・いいかな?』







『はい・・・』






『なにも気を揉めて
今すぐに・・・なんて言わない

アイルが少し
気持ちも落ち着いてからで…

アイルのペースで構わないから』






『うん。・・・はい』
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