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第32章 最高の名前

アイル達を待つ間

ソウタさんが

それとなく話をしてくれた。




アイルのお母さんは
ソウタさんの高校の先輩だそうだ。



なんやかんやで縁ができて
事実上ソウタさんが

アイルのおじいさんの所で働く
キッカケになった人のようだ。




つまり・・・



切っても切れない縁……ってコトか。




(しかし…～ってことは
つまり…と……実年齢を思うと
アイルのお母さんの美貌には驚くモノだ)



ソウタさんの経営者という所も
その腕の良さも…何か関連があるのか？



そこまではわからないが…



〃カツラギくん〃

などと呼ばれる訳は

ようやくしっくりきた。





事情があったとは言え

自分の娘を保護して

これまで

育ててきた人なのになぁ……なんて

引っ掛かっていたから。




そのソウタさんの口から語られるのは



『とにかく秀才』

『大学でもどこでも特待生クラス』

『向上心が強い、発想力豊か』

『物怖じしない度胸』

『屈強』

『機転がきいて行動が早い』





・・・などなど


どことなく

緊張を与える隙のなさなんかは

なんか、すごくしっくりきた。





そして経営者には、もってこいの性格？





なるほど…

そんな抜け目のない人を前に




ましてや娘同然のアイルの

(しかもその実母を相手に)

婚前準備の一部とあらば




慌てふためいてしまうのも

無理はないのかもな…。




アイルのお母さんは

高校に行くのと同時に

田舎から単身、上京したらしい。




珍しい・・・。

(当時はそうでもない
とかあるのだろうか？)



とにもかくにも、なんだかな
苦労した人なのかも知れない。




人に・・・娘に

厳しくもなるのかもな。