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第32章 最高の名前
『ホラ、立ちなさい』


『う・・・・・うん』



アイルがお母さんに
着物の帯を直してもらっている。



なんだかんだで…

と言うか

フツウに…普通の親子じゃないか




…なんて

オレは改めてホッとしていた。





オレ、女の兄弟いないから

わかんないけど



娘がいたら、自分の母親も

こんな感じに接するかもな?



なんて勝手に思ってみたり。




この日が来るまでは

どうなることかと思ったが

なんだかんだ…無事に

事なきを得そうだ。





何年もはなれていた・・・アイルとお母さん




もしかしたら、まだお互いに

距離感が掴みきれてないとか

そういうのもあるかもしれない。





もしもこの日を機に

この先どんどん…関係が好転していけば

そんな素晴らしいことはない。






オレは…晴れ着姿のアイルを見つめ

そんな事を思っていた。











『ありがとう・・・ママ。

私…私も、大人になったし

これからは、ママに…その・・・』




『・・・?』




アイルが帯を直し終えた母親に語りかける。





『これからは

ママの喜ぶこととか・・・何か役に…

お手伝い出来ること…沢山するから。

たくさん考えて…少しでもママに…。

今までの分も・・・』









ジーーン・・・







と・・・きてしまう。







アイルは…アイルなりに

自分の言葉で

〃親孝行〃を誓っていた。





親との関係を修復して行きたいのだろう。






そんなキモチがしっかりとみえる

伝わるアイルの言葉。






対し・・・母親は……???













『ふふ・・・そぅ。・・・期待してるわね』








プ・・・プレッシャ~~・・・・・💧…(苦笑)








ま・・・まぁ

真意はともかく




この親子らしさ

ってコトで…いいのかもな?💧

それはそれで…。







そんなこんなで

御開きになるのかな?…なんて頃
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