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第32章 最高の名前
ソウタさんは目を反らさず

真っ直ぐ向き合ったまま話し続けた





『なぜです・・・?アヤメさん…』



『……?』









『なぜ・・・ただの一言も

褒めてやらないんです?


苦しい事も・・・悲しい事も

必死に乗り越えて生きてきた娘を…』








『なにを・・・急に』







胸の内を

代弁してもらってるかのようだった

そんなソウタさんの・・・言葉






『なぜ・・・っ・・・〃あの時〃

手を差し伸べてやろうと…っ



助けてやろうとしなかったんです?!

…信じてやろうとしなかったんですっ?!



せめて・・・あなたが…っ



あの時・・・あなた一人くらい…っ

この子の〃心の声〃に耳を傾けていれば…



こんなになるまで…っ・・・アイルは



アイルは、ここまで苦しまずに

済んだかもしれないのにっ…



なぜですかアヤメさんっ!!

教えて下さい・・・っ』







ソウタさんが・・・涙をうっすらと滲ませて

長年の想いをぶつけていた





心の底からの叫び・・・。







オレにも・・・十分に




十二分にわかる・・・伝わる想い




その意味も




それなのに・・・


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