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第32章 最高の名前
『えぇ……ですので、その

いずれは正式に
一緒になりたいと・・・思ってます。

そのお許しを
お父さんから頂きたく

この場を設けさせて頂いた次第です』






『いや・・・その・・・』





『パ・・・パパぁ・・・』








『ちがうんだ・・・。

私が・・・許すもなにも…ないと。

だから・・・・・・』








再び・・・シーーン・・・・・・・。






『娘が・・・ええと

~娘の・・・お婿さんになる方に
会わせてもらえるなどと

思ってもみなかったもので・・・』





『・・・・・パパ』





『ですから・・・私に

そう気遣いは・・・不要です』







アイルのお父さんは

謙遜・・・しすぎな程

謙遜していた。








何はともあれ・・・良かった




オレは胸を撫で下ろす。








一瞬静まりかえったが

暗くなることも、その必要もなく

次第に他愛ない話をし始めていた。







『あぁ、そうだアイル・・・・・これ』




オレはお父さんから頂いた包みを
アイルに渡した。






『え・・・・・・・これ』



『お父さんからだよ』




アイルが包みを開けて
お菓子の箱を眺めた。




『あぁ・・・これ。

せ、せっかくなら・・・みんなで…』




アイルがお茶を入れ直してくれた。







『はい・・・パパ』



『・・・・・』







・・・無言かよパパ💧(苦笑)





キレイな彩りの・・・繊細な和菓子…。





この数週間

ろくに食事も摂らなかったアイルが



ちょこんと手を合わせ

お皿にのせたお菓子を

少し見つめてからほおばった。




・・・おいしそうに。






ホッとする。

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