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第32章 最高の名前

そう言って

アイルのお父さんが語るのは…

アイルの……お母さんのこと。




やんわりとだったり・・・所々

間接的だったりしたけど…。












アイルの母親は

遠くはなれた田舎町に生まれ育ち

早くに母親を亡くしたそうだ。





片親となり

その父親から・・・どうやら






いわゆる・・・・・ネグレクト…。





酷く･･･虐待を受けた･･････。




アイルのお父さんは

そうとは明言していないが

聞いていると

そう言う事のようだ。





満足に学校に行けなかったり

荒れた父親のせいで

人から後ろ指をさされたり





家出同然で上京し…

働きながら夜間高校に通い

(ソウタさんとは、そこで知り合うことに)




努力に努力を重ねて

大学に進学し……と

聞いてるだけで、まさに苦労人だった。







だけど……そんな人なら、どうして？



と・・・疑問符が浮かぶ。




ちなみにソウタさんは高校時代に

それはそれは秀才な彼女に

学力面でよく面倒をみてもらったのだとか。





それでも、そのソウタさんも

彼女のそんな生い立ちは

〃初めて聞いた〃

・・・そんな顔をしていた。