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第10章 かいとの娘リリカ（23）②

　車の運転席に、かいとの娘…リリカが座ってたの。
　リリカはワタシをジッと見つめてたわ。
　スッピンパジャマでかいとの娘と鉢合わせするとか人生終わってるわ。


　虚無ってるワタシに、リリカは言ったわ。


「あの…突然ホンマにすみません。
　お忙しいところ、ホンマにホンマに申し訳ないんですけど…」


　リリカはやたら謙虚だったわ。


「あの…失礼ですけど…
　うちの父親、岩本と…
　なんか関係ある方だったりしますか…？」



　リリカは明らかに緊張してた。
　シミそばかすニキビ吹き出物の一切ない、モチ肌色白スッピンな頬を赤く染めてた。
　ワタシが昨日可愛いって褒めた水色のニットは、実物はもっと似合ってた…。



　ワタシは首を傾げて見せたわ。



「イワモト…？さぁ…？」




　そう、シラを切り通すと決めたのよ。