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淫の館
第3章 目覚め

「ッツ…
磔をそんな風に使うとは、初日だからゆっくり休ませようと思ったがさっそく躾が必要ですね。」

男は竹の攻撃を交わし、背中の縄を引っ張る。
私は簡単によろけて尻餅をついた。

パンパン…

男が柏手を打つと入口の襖が開く。

「はい、お呼びでしょうか。」

四人の黒い作務衣を着た男達が入ってきた。

「残念だが、早々に躾が必要になった。
磔の本来の使い方を教えてやってくれ。」

「かしこまりました。」

男達がしゃがみ、竹を持ち上げ肩に担ぐ。
私は御輿のように担がれて、足が床から離れて運ばれた。

入口を出ると廊下に繋がっているのだと思っていたが、板張りの大きな部屋で、天井も高く道場のような作りだった。

廊下なら逃げ出すことも出来ると思ったが、さっきの部屋は、道場の奥の間に位置するらしく、
道場の出口は鉄の格子戸になっていた。

天井には梁やフック、チェーンと滑車があり、壁にはおぞましい拷問の道具が掛けられている。

窓ははめ殺しの1枚ガラスが一面を占めていて、先程の庭が一望できる。

組まれた薪はまだ業々と燃えていて、火柱と黒煙が見えた。
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