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淫の館
第3章 目覚め

一斉に箸を取り、食べ始める。流石に各々が好きな物から食べ始め、
今までの軍隊のような異様な雰囲気はないが、
味の感想など食事に纏わる会話をしているだけで、
式典の歓談の時のようだ。

この統率のとれた行動、『奥の間』の務め、カナという女の下という位置付け、謎は極まるばかりだ。

私は自分がいた先程の部屋が奥の間だと思っていたけれど、重要な務めと言われる奥の間に、重要な人物がいるというのは確かだ。

そして、ホテルからここまでの移動、貴重品を自宅に届けたこと、
男と弟子たちが分担したのだろうけれど、
私を肴にした宴といえど、誰一人私のことを会話にする人はおらず、
全く状況がわからなかった。

カナで11人、女性には下という位置付けがあるからには、何らかの上下関係があるのかもしれない。

そして、私はカナの後釜で下にされるのだろう。
きっと余っているお膳は私のものに違いない。


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