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淫の館
第6章 脱走

空いた時間の筋トレも欠かしていない。

実はもう、1人で起き上がり歩けるし、竹を縄に掛けられても難なく外すことが出来たが、脱走の隙を作らせる為に出来ないフリをしていた。

そして昨日から、石畳の躾は男だけが立ち会っていた。

失禁もしなくなり、弟子たちには、私以外の世話やら用事があるからと男が言っていた。

そして今も、男が1人いるだけで、男は朝っぱらと言うのにうとうとしていたのだ。

こんなチャンスはもう無いかもしれない。

私は腰を浮かせて痺れを取る。

すると男がひょいと立ち上がり、部屋から出ていってしまったのだ。

そして、格子戸も開いたままなのだ。

『今しかない。』

私は重石を払いのけて立つ、部屋の外まで何とか歩く、しかし、やはり痺れがきて倒れてしまった。

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