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淫の館
第10章 木の躾

部屋のベッドで目覚める。
まただ、また気を失ってしまったのだ。
起き上がろうとして、裸のまま布団に寝かされたのだと気づく。

しかし、替えの着物も置かれていない。

「あ…あの…」

「失礼します。お目覚めになったようですね。」

どうやらこの人が今日の担当のようだ。

今は、部屋の外に出した盥やバケツを下げるだけが担当の仕事なので、誰が担当かもわからなくなっていた。

「館主様から、薬を塗って、着物を着させるようにと仰せ遣っております。」

やけに丁寧な言葉遣いの弟子だった。
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