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淫の館
第17章 木の躾…2週目

「おお、いい心構えだ。」

正座して扉を開けたことを言われたのだろう。
会釈してそのまま中腰で素早く敷居を跨ぎ、また正座して扉を閉めて頭を下げる。

「今日から巡業でハジメとセイギの務めが終わったんだったな。」

「はい。」

1号室の弟子はどうやらハジメと呼ばれているらしい。

「俺は遅濡だから苦労すると思うが頑張ってくれ。
まずは着物を脱いでそこに掛けなさい。」

男が示す桟(さん)には衣紋掛けのフックと着物用の幅広の衣紋掛けがあった。

「失礼します。」

立ち上がることを男にことわり、後ろを向いて着物を脱ぐ。

肌を晒すことへの抵抗が少しずつ薄れていく。
下という身分に反発する態度は許されないと体がわかってきた。


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