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淫の館
第2章 2回目の逢瀬

私の淫らな体質を炙りだす熱のように感じる。
男のいやらしい指先が、虫のように体を這い回る感覚さえ感じられるのだ。

っはぁ…

「縄は初めてですか?」

っはぃ…やめてください…ほどいて…

「いや、体にはしっくりきてるのでしょう?
相性がいいようだ。
縄酔いしている。
さっき言ったように、縄目により貴女の淫欲が滲み出ているのですよ。」

男はまだ触れてこない。
ギリギリと縄に締め上げられる感触だけの筈が、男の愛撫を感じていた。

爪先立ちで足元がふらふらする。

天井のリングとフックの擦れる金属音だけが聞こえた。

あああっ…

ふらついて、男の手に体が触れる。
火に触れるより熱く感じた。

男の手は支えて元の体勢に戻すだけなのに、凄い愛撫に感じた。

ギリリ…ギリリ…

金属音だけが時を刻み、永い時間に思えた。


「奥さん、寄りかかってるフリをして、あちこち体を押し付けてきて、触ってもらいたいんじゃないですか?」



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