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你 好 吗 ?
第1章 一起唱歌吧!
おじさんは言い馴れない中国語で

「你 好!」

「你从哪里来的?」

おじさんは女の子が何を言っているのか当時はまだ解らなかった。

「張さん、何て言っているの?」

張さんが話し掛けると

「何処から来たか聞いています。」

「えーと、日本から」

張さんが

「他是从日本来的。」

「真的吗? 本当に?」

「真的! 本当。」

「彼女は東条さんが日本から来ているのに驚いてますよ。」

「張さん、彼女は何処から来ているの?」

「那么、你呢? 哪里?」

「哈尔滨…」

「真的吗?」

「真的!」

「彼女はハルピンから来てますね。」

「ハルピンて…黒龍江省のハルピン?」

「そうです。凄いですね。」

張さんは更に女の子に話をすると、

「彼女のお姉さんがここに嫁いで来ているので、ここに一緒に住んで働いてるようです。」

すると張さんは総経理に呼ばれたので、おじさんは女の子と会話出来ない。

おじさんはポケットからメモ紙とボールペンを取りだし、「東条」と書いた。

そのメモを女の子に見せて自分を指さした。

「东条 dong tiao」

女の子は意味が解ったのか中国語で発音してくれた。

おじさんは女の子を指さすと

女の子は紙に

「张 小燕 zhang xiao yan」と書いた。

突然、ステージが賑やかになり、総経理がマイクを持って中国語で歌い始めた。

おじさんは総経理が歌っているのを眺めながら煙草を咥えると、女の子はライターで火を着け日本製の煙草のパッケージを珍しそうに眺めている。

商社員の二人は、それぞれ横に座った女の子達と楽しく会話をしている。彼らは電子辞書を使ってコミュニケーションをとっていた。

総経理が歌い終えると全員が拍手して迎える。

総経理はおじさんの顔を見つめて張さんに話し掛けた。

「総経理が一曲歌って下さい。と言ってますよ。」

おじさんは戸惑っていると、女の子が歌詞の本を持って来て日本の歌のページを探し出した。

そして女の子はページを開いておじさんに渡す。

開いたページを見ると日本の歌は20曲位しか無く、しかも全て演歌だった。

女の子が突然おじさんの腕を取り、

「一起唱歌吧! 一緒に歌いましょう!」

張さんが

「女の子が一緒に歌いましょうと言ってますよ。」

結局、歌う羽目になった。


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