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遠い日の約束。
第6章 伝えたい想い
抱きしめられていた腕で体制を変えられて青空の下でお互いを求め合った。
このキスに愛情がないとは思えない。
俊樹さんは私の事…嫌いじゃ…ないよね…。

「何考えてる?」

絡めていた舌を離して、私を見つめて言う。

「んっ?華?」

何も言い返さない私を少し心配する。

「ここ…すごくハイクラスな旅館だよね…」

差しさわりのない話で逃げる。

「それは気にしない」

クスッと笑って言うけど、ふたりで10数万は軽く超えていると思うと気にしないわけがなかった。

「あっ…自分の分は払うよ…」

申し訳ないと思って言うと、俊樹さんの声のトーンが変わった。

「お金の事ではいつも言い合いになるね…だけど…今日だけは私の良いようにさせて…今日は特別だから…」

「特別?」

「それは後で…先にお風呂入ろうか?」

特別という言葉が気になるけど、お風呂に入ると言われ躊躇する。
この露天風呂に入るとなると…ひとりじゃないよね…

「クスッ…滝の見える露天風呂にでも入ろうか?」

見透かされたように話をもっていく。
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