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遠い日の約束。
第6章 伝えたい想い
一緒に入るのは恥ずかしい。
だけど、この腕を解いて別々に入るのはもっと嫌だった。

「一緒に…入りたい…」

「華?」

聞こえるか聞こえないかの小さな声だったけど確実に俊樹さんの耳には届いていた。

「こっ…こんなに素敵な部屋風呂があるのに…別々は寂しい…」

抱きしめる腕に力が籠りギュッとされた。
そして耳元で囁かれれば私の身体は簡単に反応する。

「華…かわいい…。華が一緒でいいなら私は一緒が良い…。それでいい?」

俊樹さんの言葉に何度も頷いた。
自分から言い出したことだから覚悟はできている。
好きだと伝える前にすることじゃないけど、今は一秒でも離れていたくなかった。

「じゃあ、先に入って。恥ずかしいならバスタオル巻いて入ってもいいから」

私の身体から腕を解いて、部屋の中に入って行った。
ドキドキが止まらない。
これから一つのお風呂に入るのかと思うと心臓が壊れそうなほどドキドキしていた。
ベッドルームの片隅にバスタオルやがごが置いてあり、そこに脱いだ服を入れてバスタオルで身体を巻いた。
ベッドルームを少し開いて顔出して俊樹さんを探した。
俊樹さんはソファーに座って何かを読んでいた。

「あの…今から入るから5分後に入ってきて」

ゆっくりと俊樹さんが振り向き、顔だけ出している私を見つけた。

「分かった…」

その事だけを聞いて急いで露天風呂に向かった。
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