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遠い日の約束。
第6章 伝えたい想い

─…
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───…
暖かな温もりが全身を包む。
安心する場所。
私の本来の居場所…
目の前には瞳を閉じて規則正しい寝息を立てている俊樹の顔がある。
裸のまま抱き合いダイレクトに俊樹の温もりが感じられた。
夢ではなかった…
愛していると告げて、それに俊樹は答えてくれ、身体ごと愛してくれた。
抱かれていた時の事を思い出すと恥ずかしい。
初めての感覚に自分を見失い、もっと欲しいと自分から強請ってしまった。
それ程までに俊樹との交わりは特別の物だった。
春馬にも運命を感じた。
この人が私の運命の人、私の伴侶なんだと思えた。
ただ、私より先に出会ってしまった人と間違って結婚してしまっただけなのだと自分に言い聞かせていけない関係を続けた。
この手を離してしまったら、もう二度とこんな気持ちになる人と出会えないのだと思ったから。
だけど、違った。
それは私が私にかけた暗示。
ひとりになることが怖い私が逃げ出した偽物の場所。
それが俊樹に出会って分かった。
運命の人に理由はいらない。
ただ感じられればそれでいい。
それを私は俊樹に感じた。
『私は俊樹と出会うために生まれて来たのだ』
と。

