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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
「こっ…こんなの…いつの写真か…分からな…い…」

信じているのに信じられなくなっている私がいた。
だから、はっきりと断言できなかった。

「そうだね。だったら…声聞いてみる?」

うれしそうに言うと、誰かに電話をかけはじめた。
電話相手は数回のコールで出たようだった。

「こんばんは。さっきの写真だけじゃ信用してくれなくて………そうそう。まだ立花さんのこと信じてるよ。真実を知らないってかわいそうだからね。……スピーカーにするからさ。何か喋らせてよ。」

それだけ告げるとスピーカーにしてテーブルの上に置いた。
電話の向こうではザワザワとにぎやかな音がする。
その中から聞き覚えのある声が耳に入ってくる。

『ねぇ。立花さん。明日どこに行きますか?』

猫なで声で話す篠原さんだった。
いつも俊樹にいい寄る篠原さんそのものだった。

『明日ですか…明日は…』

言いよどむ声は…間違えなく俊樹の声。

『デートしてきなさい。明日は一日よろしく頼むよ』

シワガレタ声が聞こえた。
この声には聞き覚えはなった。

『……はい……わかりました』

俊樹はそのシワガレタ声が言ったデートを承諾した。

『立花さん。大好きっ』

華やいだ声で大好きと言う篠原さんの声とともに通話は切られ、ツーツーツーという音がやけに虚しく響く。
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