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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
「弱ったところに、優しくしてくれる女が現れたらどうなる?縋り付きたくなるよね…今頃は篠原さんに縋り付いている頃かな?」

「信じない…そんなこと信じない…」

頭を振って嫌な思いを消し去ろうとする。
だけど、一度蘇ってしまった記憶は消えてはくれない。
それどころか、それに引きずられるように色々な思いが沸き起こってくる。

「まぁね。信じたくないのは人の心理。だったら証拠見せようか」

高宮くんは私の腕をグイとひっぱってリビングに戻っていった。
遠のく玄関に諦めにも思いが心の中を占めた。
ソファーに私を座らせると、バックの中からチェーンを取り出してカチャリと私の足に止めた。
その反対側をソファーに止めて、好き勝手に歩くことができなくなった。

「大丈夫。トイレに行きたくなったら言って。連れて行くから。お風呂は一緒に入れば良いし、寝るときは抱きしめて寝てあげるから心配しないで」

何も問題はないとニコニコと笑いながら告げられた。
私はこれから起こる事を考えると怖くて仕方がなかった。
そんな私にスマホを向けてくる。
そこには一枚の写真が映し出されていた。
俊樹と腕を組んでカメラ目線でピースをしている篠原さんだった。
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