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遠い日の約束。
第20章 愛の証
絹子は私の方に視線を向けて、そのままもたれかかってきた。
その重みを感じながら、意外にも早く元に戻ったことに安堵する。
やはり子供の存在は大きい。
私ではどうにもならない絹子の心を癒してくれるのは、きっとこの子なんだろう。

「翔…華ちゃんはどうだった?助かった?」

「ああ。助かったよ。ぎりぎりで俊樹くんが助け出したよ。今もずっと傍についてるから安心して」

絹子の心中を考えると詳しいことを話さないほうがいい。

「そう…よかった…。」

「絹子…ごめんな。考えると分かることなのに一人にしてしまって…辛かったろう?ごめんな」

絹子の肩に手を回して抱きしめると、絹子は私の胸に顔を押し付けて体を震わせていた。
その震える体を労わりながらいつも思う。
いつになったら、この辛い過去から解き放たれるのか。
思い出すたびに心は傷つき傷は深まる一方で、いつか心が壊れてしまわないかと不安で仕方がない。
全てから解き放たれて憂いのない人生を送って欲しいと願う。
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