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やめて、やめないで(5DOLL三部作目)
第12章 携帯電話
[ちょっと用があるの]
私は彼らと、席を立とうとする携帯電話の子に声をかけた。

三人とも私は名前も顔も知らない。

今まで私からクラスの誰かに声をかける事は、めったになかった。

近くの席にいた女の子グループが興味深く見つめてるのが分かる。

男2人が私に言った。
[お前…近藤じゃん。加藤になんか用があるのか?]

加藤…携帯電話をいじってる男の名前。

[そうよ。ちょっと聞きたい事があるの]

はたから見たら、いじめを阻止する女…に見えたのだろう。

妙子も気付き、しゃしゃり出た。

[恵美どうしたの?ゆうじ達になんかされたの?]

男2人のうち…ゆうじという名前の方に、妙子は詰め寄った。

ゆうじと呼ばれた男は
[いや、何にもしてねぇよ…何でもないよ]
慌てふためいた。

[用がないならクラスに戻れば?]
冷たい口調で妙子は言った。

男2人は何か言いたそうだったが、何にも言わず教室から出て行った。

妙子の影響力は強かった。

[ありがとう]
私は妙子に言った。
クラスのみんな同様、妙子の目も興味心丸出しだった。

妙子が口を開こうとした瞬間、私は遮った。
[あとで話すわ。必ず]

私は加藤…携帯電話の男に言った。
[ちょっと聞きたい事があるの]
加藤は声にせず、落ち着き無く頷いた。
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