この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第1章 夏の華
息苦しくなり、暁が唇を離す。
月城の眼差しが艶めいた色を帯び、暁を少しでも離したくないと訴えるかのように、髪を撫でうなじに手を伸ばす。
その手はいつもより幾分熱く、月城の欲情を如実に伝えていた。
「…月城…」
暁も潤んだ瞳で男を見上げる。

「…こちらにいらしてください」
月城が暁をあっという間に抱き上げ、落葉松林の中へと入って行った。
「…どこに行くんだ…?」
慌てて尋ねる暁に、月城は熱い眼差しで見下ろすだけで答えない。
「月城!」

草深い落葉松林を50メートルばかり行ったところに、木造で出来た馬丁用の小屋があった。
それはこの倶楽部の馬丁達の仕事道具や馬の装具などが置かれている物置のような小さな小屋だった。
月城はその小屋に向かい真っ直ぐに足早に歩いてゆく。
暁は言い知れぬ不安を感じ、月城の腕の中でもがいた。
「どこに行くの?…ねえ!」
「大人しくなさって下さい。落ちます」
月城の口調は普段と変わらず落ち着き払っている。

馬丁小屋の前まで来ると、月城は暁を降ろし小屋の扉を開けた。
そして、暁の腕を掴み小屋の中に引き摺り込む。
「…あ!」

中は暗く、馬具などが雑然と置かれていた。
なめし革や、艶出しのワックスの匂いがひんやりと籠っている。
ぼんやりと中を見つめていると、荒々しく肩を掴まれ振り向かされる。
あっと息を呑む間も無く、唇を貪られる。
「…んんっ…!…あ…ああ…ん…」
先ほどとは比べ物にならないほどの生々しく荒々しい月城の剥き出しの欲望を感じさせるくちづけであった。

「…暁様…!愛しています…貴方が欲しい…今すぐに…!」
暁はくちづけに酔い痴れながらも、はっと我に返り首を振る。
「…だめ…こんな…ところで…誰が来るかわからないのに…」
月城は聞く耳を持たない。
暁の首筋に唇を落とし、白いブラウスの釦を引きちぎる様に開ける。
「…お許し下さい…貴方が欲しくて、おかしくなりそうなのです」
「…そんな…だめ…だって…ば…!」
暁は必死に抗うが月城の強い男の力に敵うはずも無く、再び唇を奪われるとそのまま腕を捕まれ、壁際に押し付けられた。
その弾みで壁に掛けられた鞍が落ちる。
月城は暁の華奢な両腕を磔のように掲げさせる。
暁が抗えないように強く押さえつけると、野獣が草食動物に襲いかかるかのようなくちづけを繰り返した。







/954ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ