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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第1章 夏の華
男のひんやりとした両手が暁のほっそりとした腰を鷲掴みにする。
熱い牡の先端が暁の慎ましやかに閉じられた花蕾に
押し当てられる。
「…力を抜いてください…」
いつもだったら、丹念に指で馴らすのにそれすらもしない月城に、暁は男の切羽詰まった劣情を感じ、腰が甘く蕩け出してゆく。
「…んっ…あ…あ…っ…」
月城はゆっくりと柔らかな果実にナイフを入れるように腰を進めた。

今朝、二度ほど男を受け入れていた暁の身体は難なく月城の長大な昂りを飲み込み始めた。
「…ああ…お…おき…い…」
鼻腔を擽る馬具のなめし革の匂いは荒々しい馬乗りの男を彷彿させる。
暁はまるで、月城だけでなく荒くれた馬乗りにも身体を弄ばれているような倒錯的な幻覚に支配される。
男は躊躇いなく、凶器のような雄蕊を暁の狭く湿った淫肉に打ち込んだ。
「…ああっ…!…ふか…い…」
暁の淫肉が男の熱く硬い怒張を包み込み、締め付ける。
その甘美な快感に月城は端正な眉を寄せる。
「…んっ…貴方の肉が、私のものを絡み取って離さない…いやらしい身体だ…」
「…ひど…い…」
…誰のせいなのだと問いただしたかったが、男に与えられた絶対的快楽に雁字搦めになり、暁は淫らに腰を揺らめかすことしかできない。
「…ああ…い…いっ…!…森…の…奥まで…とどいて…」
脳髄まで犯されるような麻薬的な快楽が暁の身体中を支配する。
「…可愛い方だ…あんなに嫌がったのに…もうこんなに蕩けていらっしゃる…」
月城はゆっくりと腰を遣いながら、薄く笑う。
男に揶揄されて、暁は涙を滲ませる。
快楽に弱い身体…男の牡を体内に取り込み、精を受けないと達くことができない身体…。
暁は自分の淫蕩な身体を恥じている。
「…言わない…で…」
月城は堪らずに、無理やり貌を向けさせる。
そして甘く囁く。
「…だからこそ、貴方は誰よりも美しい…」
「…森…」
「…貴方は私のものだ…!私だけのものだ!」
呻くように呟くと、月城は暁の可憐な唇を貪り尽くす。
狂ったような力強い抽送が始まり、男の頑強な身体に暁は押しつぶされそうになる。

いつ、誰が扉を開くかわからない…。
そんな危機感の中、暁は例えようもなく痺れるような快楽を得る。
譫言のように淫らな淫語を繰り返す。
月城がそれに甘く答える。

…そうして二人は獣のように悦楽を貪りあい、嵐のように求めあい、同時に果てたのだった。
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