この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第1章 夏の華
暁が、北白川伯爵に控えめな口調ではあるが、品位のある挨拶をする。
伯爵は暁の姿を見て、思わず目を見張る。
「…これは…!暁くんは元々、美青年だったが…暫く見ない間に、輝くようにお美しくなられたね。
…男性にしておくのが惜しいような美貌だ!」
小さな頃から暁を見知っている伯爵は手放しで暁の美しさを褒めそやした。
伯爵もまた、美しい人が大好きだからだ。
暁はその白い頬を薔薇色に染め、俯いた。

隣の礼也がちらりと背後に控える月城を見て、やや面白くないように唇を曲げ、しかしそこは完璧な紳士である彼なので、直ぐに温和な笑みを浮かべた。
「…伯爵よりのそのようなご賛辞、光栄です。…弟も感激していることでしょう」
隣の光が瞳を輝かせ、無邪気に口を開く。
「暁さんは恋をしていらっしゃるのよ、叔父様。…それも飛び切りドラマチックな恋を…!」
そう言って、月城をその高貴な猫のように艶めいた眼差しで見た。
月城はやや貌を強張らせ、光から目を逸らし、真っ直ぐ前を見据えた。
「ほう…。…それは素晴らしい!恋は人を美しくするからな。暁くんのように美しい人がドラマチックな恋するのは実に意義深いことだ。
…成就を願うよ」
と、華やかな美貌に明るい笑みを浮かべ、愉快そうに笑った。

光は綾香と梨央と共に、楽しそうに玄関ホールに入り、礼也は伯爵と話しながらそれに続く。
狭霧は残された暁と月城を微笑みながら見やり、伯爵の後を追う。

…暫しの間、その場は暁と月城の二人きりになった。
月城は安堵のため息を吐く。
「…光様には、肝を冷やしました…」
暁は可笑しそうに笑う。
「いつもああだよ。…でも義姉さんは、僕らの一番の理解者だから…」
自然に義姉さんという言葉が出た暁を、月城は微笑ましく温かく見つめる。
…そして、
「…暁様…。綺麗です。…貴方がこの会場で一番お美しい…」
と密やかに告げる。
「…月城…」
暁は白皙の美貌を上気させ、月城を見つめる。
「…ねえ、今夜、少し話せないかな…二人きりで…」
恋しさを募らせるような眼差しの暁を愛おしく思いながらも、月城は執事としてのストイックさで静かに告げる。
「…申し訳ありません。本日は、閉会まで業務が目白押しですので…」
「…そう…だよね…ごめんね…」
寂しげに俯く暁がいじらしく、思わず手を伸ばす。
暁の手を握りしめた瞬間、ホールの中から礼也の声が響いた。
/954ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ