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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第10章 初月の夜も貴方と
暁はそっと起き上がり、月城を見つめる。
…自分にはきちんと夜着を着せてくれているが、月城自身は裸だ。
どんな時も身嗜みの良い彼は、どれだけ激しく濃厚に愛しあっても身繕いを忘れることはない。
いつもきちんと寝間着に着替えている。

そんな彼が裸で眠っているということは…
…昨夜は二人とも我を忘れて激しく濃く愛しあったということなのだ。
床に乱雑に散らばる月城の執事の制服の数々にその情熱の名残りを感じ、暁は人知れず頬を染める。

月城の身体は彫像のように美しい。
高価な象牙のような色のなめらかな肌…細身だが引き締まり均整の取れた体躯、すらりとした欧米人のような長い手足…。
普段きちんと整えられている美しい黒髪が無造作に降りて、額にかかっている様もまるで20代の若者のように若々しく彼を見せていた。

「…月城…大好き…」
暁は小さく呟くと、男の額に唇を落とした。
…いつまでも愛おしい男の貌を見つめていたいが、今朝はしなくてはならないことがあるのだ。
暁は優しく月城にブランケットを掛けると、そっと寝室を後にした。
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