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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第10章 初月の夜も貴方と
愛に満ちたくちづけはいつまでも続いた。
くちづけの温度は二人の体温と共に高まり、暁が切なげに吐息を弾ませるまでにそう時間はかからなかった。
暁の薄く滑らかな舌を弄りながら、月城は器用に彼の華奢な肩から羽織をすべらせる。
「…ん…っ…」
鼻にかかった甘い声が漏れる。

上等な絹の羽織はさらりと床に落ち、藤色の優美な羽二重の着物姿の暁が現れる。
角度を変えながら、熱い口内を蹂躙する。
顎を持ち上げ、更に口を開かせる。
月城の性的な舌遣いに暁の呼吸が乱れ始め、鼓動が高鳴るのを間近で感じ取る。
喉奥まで荒々しく舌を遣いながら暁の背中に手を回し、帯を解く。
「…や…だめ…」
息を弾ませながら、暁が弱々しく抗う。
「…なぜですか…?」
月城の舌から漸く解放してやりながら、桜色に染まった耳朶を噛む。
「…着物が…皺になっちゃ…う…」
月城が誂えてくれた上等の着物が揉みくちゃにされることを、暁は嫌がった。
「…貴方がおとなしくして下さったら、皺にはなりませんよ」
澄ました端正な貌でそう嘯く男を恨めしそうに潤んだ瞳で睨みながらも、従順に男に従う。
…暁は閨のことでは決して月城に逆らわない。
男の言うことをすべて素直に聞く。
それは、月城が時間をかけて暁に教え込んだ躾の賜物であった。
…だから今も…

「…暁様。…跪いてください…」
月城の美声が低く暁の鼓膜を震わせる。
…月城が何を求めているのか、そのひとことで分かった暁はそれでも泣きそうな貌で首を振る。
「…嫌…。…せめて着替えさせて…」
月城は薄く微笑みながら暁の唇に触れる。
「…暁…。跪いて…」
呼び捨てにされた瞬間、暁は背筋を震わせ…眼を伏せると、のろのろとその場に跪いた。
月城の真っ白な足袋が、美しい足捌きで暁の後ろに周る。
「…這って…暁…」
暁は息を呑み、振り返る。
「…月城…。お願い…着替えてきていいでしょう…?」
月城のくちづけで情欲の火種に火を点けられている暁は、上目遣いで男に赦しを乞う。
暁の背後に腰を下ろすと、優しく髪を撫でながら首を振る。
「…いけません。…このまま、貴方は私に抱かれるのです…」
暁の白いうなじが一瞬で薄桃色に染まった。
「…月城…」
男に取り縋る暁の白い手に、恭しくくちづけする。
…けれど…
「…這って…腰を高く上げて…」
残酷な命令が、甘く優しく声で下される。


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