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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第10章 初月の夜も貴方と
暁は唇を噛み締めながら、のろのろとその場に這う。
肘をつき上体を支え、腰を掲げる。
月城が誂えてくれた大切な着物を傷めないようにそっと畳に手を着く。

「…こんな嫋やかなお着物姿で…なんと淫らな恰好をなさっているのですか…?」
色香と欲情を秘めた男の声が背後から聞こえる。
「…酷い…君がしろって…言ったのに…」
羞恥に頬を染め、弱々しく抗議する。
小さく笑う声が聞こえ、ひんやりとした月城の手が暁の白足袋の足首を優しく掴む。
「本当に貴方は人を疑うことを知らない従順なお人だ。いつか誰かに誑かされないかと気が気ではありませんよ」
その声には月城の本心からの気がかりと不安めいた感情があった。
「…君だから…こんなことも従うんじゃないか…ああっ…!」
月城が暁の両脚を押し開き、その間に身体を入れたのだ。
「…可愛い方だ…本当に…」
ひんやりとした手が暁の着物を容赦なく捲り上げる。
…藤色の着物の下は、白綸子の長襦袢だ。
着物だけでなくとても高価な長襦袢だったが、月城は全く躊躇せず誂えた。
光沢のある真珠色の綸子の長襦袢は…まるで清楚な処女の姫君のように暁を美しく魅せるのだ。
白足袋を履いたままゆっくりと長襦袢を捲り上げられる。
肌触りの良い絹が脹脛を滑り、次第に自分の下肢が露わになるその感覚に、暁は唇を震わせる。
「…や…っ…」
…何度月城に抱かれても、衣服を脱がされる時間はいつも暁を身悶えるほどの羞恥に襲わせる。
…しかも今日は…

「…下着をお付けになっていらっしゃらないのですね。…なんと…淫らな方だ…」
透き通るように白く美しい脚が露わになり、生まれたままの姿の肉付きの薄い双丘が月城によって暴かれたのだ。
「…君が…付けるな…っ…て…言ったのに…」
うつ伏せになった暁の口から蚊の鳴くような声が届く。

月城は形の良い口元に薄い笑みを浮かべる。
「そうでしたか…?」
…着付けの時に下着を身に付けようとする暁を押し留め、強引に長襦袢を着せたのは自分だ。
「…だから…嫌だったんだ…」
白く長い首筋が桜色に染まるのを見つめ、月城は剥き出しに晒された青白いまでに美しい双丘をその掌で撫で回した。
「相変わらず小さくて可愛いお尻だ…骨盤が狭くて…処女のような腰つきをされていますね…」
卑猥な言葉を、月城の端正な声が紡ぎ出す。
暁の全身は耐えきれない羞恥で熱くなる。








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