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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
翌日、月城と暁は東京へと向かう汽車の中にいた。
…変装もせず、月城はいつもの黒いスーツ姿だ。
やや緊張した面持ちの暁の手を、静かに握りしめる。
「…大丈夫ですよ…」
「…月城…」
見上げた月城の貌は普段と少しも変わらぬ…怜悧で美しく、穏やかな笑みすら浮かべていた。
月城の揺るぎない決意を感じ、暁は安堵の気持ちで月城の手に手を重ねた。
「…うん…。信じてる…」
男の肩に頬を寄せる。
月城は何も言わずに、暁の髪を優しく撫でた。